こんにちは。
絶賛、マイホームを計画中の「ゆうき」です。
一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。
・ZEHにしたいけどメリット、デメリットは?
・ZEHにして本当に元が取れるの?
・ZEHにするためには、まず何をすべき?
こんな悩みを解決します。
ZEH(ゼッチ)は、年間の電気代をかなり抑えることができるので、とても魅力的ですよね!
さらに、2021年も昨年に引き続き補助金をもらえるので、初期投資費用を抑えることも可能です。
ZEHを検討されている方は、この記事を読んで、ZEHにするかどうかの判断材料にしてくださいね。
こんな方におすすめ
- ZEHについて、詳しく知りたい
- ZEHのメリット・デメリットを理解して採用するか決めたい
- ZEHを建てたいとき、まず何をすればいいかわからない
タップできる目次
ZEH(ゼッチ)とは? 【メリットとデメリットの前に】
ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の略です。
暖房や電気などの消費エネルギーと、太陽光発電の再生可能エネルギーの収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅をいいます。
つまり、「プラスマイナスで消費エネルギーがゼロの住宅」ということです。
ZEH(ゼッチ)のメリット
ZEHのメリットは、以下のとおりです。
ZEHのメリット
- 光熱費が安い
- 補助金がもらえる
- 発電した電気を売電できる
- 停電時に電気、お湯が使える
ひとつずつ見ていきましょう。
1.光熱費が安い
ひとつめは、光熱費の安さです。
消費エネルギーが±0なんだから、光熱費もゼロなんでしょ?
そう勘違いしがちだけど、プラマイゼロなのは「消費エネルギー」なので、必ずしも光熱費がゼロになるわけではないよ。
下記のグラフは、ZEHの補助金の交付を行っている「(一社)環境共創イニシアチブ」の調査報告書のグラフです。
4月から11月は、収支がプラスになっていますが、赤丸部分の12月から3月は収支がマイナスになっており、時期によって収支の変動があることがわかります。
ただ、通常の住宅よりはかなり節約できるのは間違いありません。
また、上記のグラフには、年間エネルギーコスト収支が33,524円と書いてあります。
つまり、売電により年間の電気代が0になり、収益が約33,000円だったということです。
総務省の調査によると、全国平均の電気代が約11,000円/月なので、
11,000円/月×12か月+33,000円=165,000円
も節約できた計算になります。
ZEHって、こんなに節約できるんだ!
もちろん、日照時間や電気料金などで変動しますので、あくまでも目安です。
2.補助金がもらえる
以下は、最新版(2020年度)のZEH関連補助金交付事業です。
事業名称 | 対象 | 補助金額 |
---|---|---|
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業 | 注文・建売住宅のZEH | 定額60万円+α |
ZEH+(ゼッチプラス)支援事業 | 注文・建売住宅のZEH+ | 定額105万円 |
次世代ZEH+(ゼッチプラスアール)実証事業 | 注文・建売住宅の次世代ZEH+ | 最大105万円+α |
補助金の詳細や交付申請手続きなどは、前述した「(一社)環境共創イニシアチブ」が行っています。
ZEHを検討されてる方は、必ずチェックしておきましょう。
2021年度は「先着順」での当選方式となりましたので、早めに準備した方が良さそうです。
2021年度の各補助事業のスケジュールは、以下のとおりです。
上記スケジュールの公募期間の間に、申請をする必要があります。
ZEH、ZEH+の公募期間
- 一次公募→2021年5/6~6/18
- 二次公募→2021年7/5~8/20
- 三次公募→2021年8/30~9/24
次世代ZEH+の公募期間
- 一次公募→2021年5/17~8/20
- 二次公募→2021年8/27~11/19
ZEHの申請には、外皮計算書や一次エネルギー消費計算書などの各種計算書から求積図などの図面が必要です。
そのため、遅くても申請予定の公募期間の2週間~1ヶ月前には設計がすべて終わっている状態を目指しましょう。
スケジュールについては、ハウスメーカーや工務店の担当者とよく打合せをして、スムーズに申請ができるように調整が必要です。
また、応募条件として、
応募条件
- 所有者自らが居住する住宅であること
- 「ZEHビルダー」が設計した住宅であること
であることが必要です。
依頼しようとしている会社がZEHビルダーかどうかは、こちらから確認することができます。
3.発電した電気を売電できる
ZEHには、太陽光発電設備の設置が必須です。
発電した電気は、家の照明などに使えるのはもちろん、電気事業者へ売ることも可能。
売電価格は、2020年度の実績で約12円~21円/kWhです。
電気を売ることができたら、家計も助かる!
4.停電時に電気、お湯が使える
最近は、自然災害による停電が多いですよね。
2018年の北海道胆振東部地震では、北海道のほぼすべての地域で停電になる「ブラックアウト」が発生しました。
あの時の停電で、私たちもとても大変な思いをしました…。
そんなときに、太陽光発電設備により発電した電気を使えるということは、災害に強い住宅と言えます。
日中発電した電気を夜に使うには、電気を貯めておく「蓄電池」が必要になります。
合わせて設置を検討すると良いですね。
ZEH(ゼッチ)のデメリット
次にデメリットを見てみましょう。
デメリット
- 初期費用が高い
- 売電価格の下落リスク
- 太陽光発電設備の故障リスク
- メンテナンス費用がかかる
ひとつずつ解説します。
1.初期費用が高い
太陽光発電設備やHEMS(ヘムス)の導入、高断熱・高気密化などにより、初期費用が高くなります。
HEMS(ヘムス)とは
HEMS(ヘムス)とは、Home Energy Manegement Systemの略。
太陽光発電で発電した電力や、照明やエアコン、給湯など何にどのくらいの電力を使っているのかを「見える化」したり、各機器のエネルギーを「自動制御」するシステムのこと。
ZEH住宅と合わせて導入する人が多い。
ZEHにしたとき、どのくらい初期費用が上がるのかざっくりと計算してみました。
ZEHにしたときに増加する初期費用 | |
---|---|
外壁に付加断熱を追加 | +50万円 |
屋根の断熱材を追加 | +30万円 |
エアコンの台数減少 | ー20万円 |
太陽光発電設備の導入 | +150万円 |
HEMSの導入 | +10万円 |
補助金受領 | ー60万円 |
合計 | +160万円 |
この計算については、実際のところなんとも言えなくて、例えば非ZEHからZEHにして断熱性能が上がったことで床暖房設備をやめたとしたら、100万円以上費用が浮く計算になります。
そうしたら+60万円程度でZEHにできる計算になりますね!
当然、太陽光発電設備を何kW載せるのかによっても初期費用が変わってきます。
ですので、参考程度に押さえておいてください。
2.売電価格の下落リスク
売電価格は、電気事業者の言い値で決まってしまうのが現状です。
以下は、売電価格の推移を表したグラフです。
えっ!すごい下落してる!
しかも下落はこれからも続くみたい…。
2021年度は、2012年度と比べると3分の1~半額になる予想です。
しかし、売電価格が低下していても太陽光パネル自体の値段も下がっているので、必要な初期費用は年々下がっています。
3.太陽光発電設備の故障リスク
太陽光発電設備は、とても高価な設備です。
故障による修理費用もかわいい金額では済まないことが予想されます。
ただ、ほとんどのメーカーでは、10~15年の保証を付けているところが多いので、保証期間中は安心ですね。
しかし、家は50年以上のとても長い期間使う場合がほとんどです。
保証が切れたあとの修理費用を見込んでおく必要がありますね。
また地震などの災害で、損傷してしまうと場合によっては全交換もあり得ます。
4.メンテナンス費用がかかる
太陽光発電設備は、定期的なメンテナンスが必要です。
以下の資源エネルギー庁の調査報告書によると、4年に1度のメンテナンスを推奨しており、1回のメンテナンスで2万円程度が相場のようです。
15年に一度、パワーコンディショナーという部品の交換も必要で、20年間で30万円程度のメンテナンス費用がかかると思っておいた方が良いです。
ZEH(ゼッチ)の口コミ
実際にZEHを建てた施主はどう思っているのでしょうか。
良い口コミと悪い口コミを見てみましょう。
良い口コミ
壁の断熱材は高性能グラスウール14k、窓はLow-eペアガラスを使用、施工面積37坪の2階建てでZEHにできました。
本体価格1650万、そのほかの付帯工事で400万、自由設計で住宅設備も満足です。
地域工務店などのZEHビルダーで家を建てると、大手ハウスメーカーよりも価格を抑えてZEHにすることができそうですね!
喘息も治り、光熱費も低いのでおすすめ!
30代女性
ZEHの家になってから、悩んでいた喘息が治り、室温は外気の影響を受けづらくなり快適です。
電気代や光熱費も安いので、良いことばかりです。
ZEHは、断熱性能も高くしなければならないので、居住性・快適性が向上します。
喘息などの病気で悩んでいる方にもおすすめですね!
悪い口コミ
あまりメリットないかも…
40代男性
家にいる時間が多いため、売電による利益はほとんで出ていません。
今後システムが故障し20万以上の出費があれば、設置費+修繕費が多くなるので、あまりメリットがあるとは感じませんでした…。
電気の使用量が大きい場合は、売電に回す電気がないので、利益が出づらいかもしれないですね。
しかし、売電価格よりも購入価格の方が高い現在の状況では、いかに自己消費量を大きくするかが鍵なので、メリットはあると思います。
実績のある会社に頼めばよかった…。
20代女性
高性能のエアコンを全部で5台も付けたのですが、そもそもZEHは断熱性能が高いので、そんなに必要じゃなかった…。
お願いした工務店がZEHに慣れていなかったので、実績が多い会社にお願いしたほうがよかったと後悔…。
高断熱住宅やZEHに慣れていないと、どのくらいのエアコンを設置すればベストなのかがわからないということもあるんですね…。
やはり、ある程度実績を積んでいる会社にお願いするのが一番です。
ZEH(ゼッチ)を建てられるハウスメーカー
基本的に、大手ハウスメーカーであれば、ほぼZEHに対応しています。
ZEHが建てられるかどうかは、先に述べたこちらからZEHビルダーかどうかを調べればOKです。
それでは、ZEHに対応しているハウスメーカーを一部紹介します。
ZEHに対応しているHM
- 積水ハウス
- スウェーデンハウス
- 一条工務店
ひとつずつ見ていきましょう。
積水ハウスのZEH
積水ハウスのZEHは、圧倒的な実績の高さです。
2019年度の北海道以外の都府県での実績は87%と、他のハウスメーカーと比較して、とても高い実績があります。
スウェーデンハウスのZEH
スウェーデンハウスのZEHは、標準仕様でZEH基準をクリアしているのが特長。
断熱性能では、ハウスメーカーの中でも高い性能を誇っているので、納得ですね!
一条工務店のZEH
ハウスメーカーの中でも断トツの高気密高断熱住宅を提供している「一条工務店」。
その高い断熱性と気密性にプラスして、高容量の太陽光発電設備を設置することで、一般的なZEHよりも大幅にエネルギー収支をプラスにすることができます。
ZEH(ゼッチ)のメリット・デメリット:まとめ
これからマイホームを新築する方は、ZEHを検討されることをおすすめします。
最終的には、先に解説したメリット・デメリットを理解したうえで、ZEHにするかどうかを決めましょう。
ZEHは国が作ったものですので、もちろん積極的にZEH化事業を進めています。
近い将来、ZEHが当たり前の未来が訪れる予感がしますね!
ZEH(ゼッチ)を建てたいと思ったら
ZEHを建てたいと思ったら、まずは、「ZEHに特化した間取り作成サイト」で間取りや見積金額を確認してみることをおすすめします。
このサイトでは、なんと無料でZEHの間取りや見積の作成を依頼できます!
自分で間取りを作成するのは、建築基準法や都市計画法などの各規定を理解していないと難しいです。
要望だけを伝えて、複数の間取りや資金計画を作成してくれるこのサイトは、とてもおすすめ!
ZEHの実績が多数あるZEHビルダーが多数登録しているので、安心です。
登録は、とても簡単で3分で完了します。
step
1都道府県と市町村を選択
まず最初に都道府県と市町村を選択し、提案依頼スタートをクリック。
step
2要望を入力
続いて、要望を入力します。
できるだけ細かく入力したほうが、ハウスメーカーや工務店も提案書を作成しやすいです。
「しつこい営業電話が心配…。」という方は、「メールでの連絡希望」と書いておけば、電話はかかって来ないので安心です。
step
3気になる会社を選択
最後に、気になる会社を選択して完了!
\登録はこちらから!/
\にほんブログ村に参加してます!/
価格を抑えてZEHにできて大満足!
30代男性