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基礎の鉄筋に錆!?新築のマイホームに影響はないの?

基礎の鉄筋に錆!?新築のマイホームに影響はないの?
ゆうき

こんにちは。

絶賛、マイホームを計画中の「ゆうき」です。

一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。

・新築中のマイホームの基礎鉄筋がさびだらけ!

・構造的に影響はないの?

・検査に立ち会いたい!

ひかり

こんな悩みを解決します。

いよいよ始まったマイホームの新築工事で、基礎の鉄筋が錆だらけだったらかなり不安ですよね!

しかも錆を落とすこともなく、そのままコンクリートを流し込もうとしたりする…。

今回の記事では、そんな不安を解消するための記事となっています。

ゆうき

元大手ゼネコンの現場監督で、鉄筋担当とコンクリート担当を5年務めた私がこの疑問に答えます!

この記事の内容

  • 鉄筋の役割
  • 鉄筋の錆について
  • 鉄筋の検査に立ち会うなら

鉄筋の役割

基礎鉄筋

まず最初に、鉄筋の役割について簡単に解説します。

コンクリートも充分固いんだし、そもそも鉄筋を入れる必要なんてあるの?

ひかり

その疑問については、下の表をご覧ください。

下表は、鉄筋とコンクリートの特徴を書いています。

鉄筋コンクリート
圧縮力(押される力)に対して弱い(細いため折れ曲がる)強い
引っ張り力(引っ張られる力)に対して強い弱い(鉄筋の10分の1)
線膨張係数(温められたときの膨張率)1.0×10^-5 1.0×10^-5

建築物には、圧縮や引っ張りなど様々な力が加わります。

上記の表にあるように、引っ張りに弱いコンクリートを鉄筋が補い、圧縮に弱い鉄筋をコンクリートが補っています。

ゆうき

コンクリートだけだと、引っ張り力が加わったときにすぐに割れてしまいます。

鉄筋が入っているおかげで「粘り強さ」がプラスされるんですね!

しかも、鉄筋とコンクリートとの線膨張係数(膨張率)が同じなんです。

この膨張率が違うと、内部で肌別れを起こし、構造体として機能しなくなります。

ゆうき

これを知ったとき、「鉄筋とコンクリートは赤い糸で結ばれる運命だったんだ!」と感動しました。

キモッ。おっさんが赤い糸とか言ってる…。

ひかり

鉄筋の錆について

基礎鉄筋

なぜ錆びるのか

小学校か中学校の授業で習ったと思いますが、鉄が酸化して「酸化鉄」になることで錆びます。

雨水にさらされることによって、さらに鉄は錆びやすくなります。

ゆうき

鉄筋には錆びないように表面加工されていますが、折り曲げたときに表面処理が剥がれ、そこから錆が発生する場合が多いです。

鉄筋

構造的な影響は?

結論からいうと、鉄筋の錆はほとんどの場合問題ありません。

国土交通省が監修している「建築工事監理指針」によると、

「鉄筋の表面は,所要の状態であること。」とは,施工途中の, 特にコンクリート打込み直前における鉄筋に,コンクリートとの付着性能を阻害するような油脂類,錆,泥,セメントペースト等が付着していない表面状態とすることであり,その程度を定める必要がある。具体的には,油脂類,浮き錆,セメントペースト類は,コンクリー卜打込み前に除去しておく必要があり,この付着物の程度,除去のための方法と処理後の確認方法をあらかじめ施工者に提案させ,また,確認したことを記録に残す。

なお,錆のうち,浮いていない赤錆程度のものについては,コンクリートとの付着を阻害することがないので,無理にこれを落とす必要はない。

建築工事監理指針

基礎工事の現場でよく見る錆は、「浮いていない赤錆」に該当する場合がほとんど。

この錆については「コンクリートとの付着を阻害しないため落とさなくてよい」と国土交通省様もおっしゃっています。

参考

万が一、錆によって表面が剥がれてボソボソになっているような鉄筋が組まれているようであれば、NGです。

すぐに是正してもらいましょう。

\業者向け!鉄筋工事は「上巻」に掲載/

なぜ問題ないと言えるのか?

鉄筋が多少錆びていても問題ない理由は、主に以下の2つです。

問題ない理由

  1. コンクリートとの付着に影響ないから
  2. コンクリートのアルカリ性が酸化の進行を防ぐから

「1.コンクリートの付着に影響ないから」は、先に述べたとおりです。

大学や公的試験機関で実験も多くされており、コンクリートとしっかり付着(密着)するので、問題ないと結論付けています。

「2.コンクリートのアルカリ性が酸化の進行を防ぐから」は、鉄筋の錆(酸性)をコンクリート(強アルカリ性)が覆うため、錆(酸化)が進行しないというものです。

ゆうき

特に生コンクリートは、触ると手が荒れるほどアルカリ性が強いんです。

もし、鉄筋の検査に立ち会うなら

基礎鉄筋

施主である発注者は、鉄筋の検査(「配筋検査はいきんけんさ」という。)に立ち会う必要はありません。

でも、どうしても気になるから配筋検査に立ち会いたい!という方は以下の点に注意しましょう。

現場では何をチェックしている?

最初に、配筋検査ではどんなことをチェックするのか整理しましょう。

現場でチェックすること

  1. 鉄筋の径
  2. 鉄筋の強度
  3. 基礎型枠の寸法
  4. 結束状態
  5. 汚れ等の付着がないか
  6. ゴミが落ちていないか
  7. 鉄筋の「かぶり」

設計図どおりに鉄筋が組まれているかのほか、鉄筋の状態、強度など様々なことをチェックします。

施主がチェックするポイントは

上記の1~7のチェックポイントのうち、1~4は、図面を読み解かないと難しかったり、良い悪いの判断が困難なので、現場監督に任せましょう。

施主であるあなたが配筋検査に立ち会うなら、5~7あたりをチェックすることをおすすめします。

5.汚れ等の付着がないか

汚れについては、簡単です。

鉄筋自体に泥や土などが付着していないか確認しましょう。

もし付着していたら、指摘して構いません。

6.ゴミが落ちていないか

これも簡単です。

型枠の中に、ゴミや土、結束線などが落ちていないか確認しましょう。

こちらも落ちていたら、拾ってもらうように言いましょう。

結束線とは

文字通り鉄筋同士を結束する鉄線。

切れて落ちていることが多々ある。

結束線

7.鉄筋の「かぶり」

これは本来、専門的なチェックポイントですが、とても重要なので、検査に立ち会ったらチェックしてみてもいいと思います。

専門的と言っても、特別難しいことはありません。

鉄筋の「かぶり」とは

鉄筋と型枠(木でできたコンクリートを流し込む枠)の距離のこと。

この距離が少ないと、空気中の酸素や湿気により鉄筋の酸化が進行する原因となる。

鉄筋のかぶり

この「かぶり」が4cm以上(最低でも3cm以上)確保できているか確認しましょう。(厳密には部位によって必要なかぶりは変わりますが、今回は割愛します。)

型枠に鉄筋がくっついているなんてこともたまにありますので、もし見つけたら是正してもらってください。

検査に立ち会う時の注意ポイント

現場の検査に立ち会うときの注意ポイントが2つあります。

注意ポイント

  1. 無断で現場に入らない
  2. 指摘をするときは丁寧な言葉で

ひとつずつ見ていきましょう。

1.無断で現場に入らない

1つ目は、いくら施主、発注者といっても現場に無断で立ち入ることはやめましょう。

引き渡しまでは、現場を管理しているのは、ハウスメーカーや工務店です。

釘が落ちていたり、床に開口部があったり、作業中だったりと危険な場合が多々あります。

「私はお客様だ」と、どかどかと現場に無断で入るのは大迷惑です。

請負代金を全額支払って初めて、あなたの家になりますので、勘違いしないように。

ゆうき

必ず現場監督の許可を得て、ヘルメットを借りて現場に入るようにしましょうね!

2.指摘をするときは丁寧な言葉で

指摘を見つけても、決して上から目線ではなく、「ここを直してもらえますか?」と対等な立場で伝えるようにしましょう。

丁寧に伝えれば、関係が悪くなる心配もありませんし、お互い気持ちよく家づくりを進めることができます。

ゆうき

家づくりに限らず、工事は発注者(施主)と施工者(業者)が協力して行うものです。

基礎の鉄筋に錆!?新築のマイホームに影響はないの?:まとめ

鉄筋

先に述べたように、鉄筋の錆は基本的に問題ないです。

私がゼネコンで現場監督をやっていたときも、鉄筋の錆がひどくて組み直したり、発注者や工事監理者に指摘されたという経験は一度もありません。

それよりも現場が整理整頓されているか、ゴミなどが散乱していないかなどの方が大事なポイントだと思います。

確かに現場が汚くて、ゴミが飛んで行ったりしたらご近所さんのご迷惑になっちゃう!

それはやめてほしいな…。

ひかり
ゆうき

あとは現場が汚いと、不思議と施工不良や作業員のケガなどが起きるものなんですよね…。

あまり細かいことを言いすぎて関係が悪くなるのも避けたいところ…。

なので、工事が始まる前に「整理整頓しっかりお願いしますね」とか「鉄筋の検査しっかり頼みますよ」と一言いうだけで、担当者も意識するので、基本的にそれで全然問題ありません。

ゆうき

家づくりを依頼した工務店やハウスメーカーは信頼できるから契約したんですよね?

であれば、任せるところは任せて信頼関係を築きながら、家づくりを進めていきましょう!

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