こんにちは。
絶賛、マイホームを計画中の「ゆうき」です。
一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。
- 気密性が重要ってよく聞くけど、なぜなの?
- 気密性の高い家にするとどんなメリットがあるの?
- ハウスメーカーでも気密性の高い家は建てられるの?
こんな疑問にお答えします。
最近は、気密性の重要性がネットやSNSで叫ばれるようになり、施主自ら気密性について詳しく調べている方も少なくありません。
しかし、断熱性の高い家と比べて気密性の高い家は、具体的にどんなメリットがあるのかがわかりづらいです。
この記事は、気密性の高い家のメリットとデメリットを具体的に解説し、なぜ気密性が重要なのかがしっかりと理解できる内容となっています。
気密性の高い家には非常に多くのメリットがありますので、メリットを知ってご自身の家づくりに役立ててください!
それでは、続きをどうぞ。
こんな方におすすめ
- 気密性の重要性がよくわからない
- 気密性の高い家のメリット、デメリットが知りたい
- ハウスメーカーで建てたいけど、気密性の高い家を建てられるのか知りたい
気密性の高い家とは?
ご存知の方も多いと思いますが、気密性は「C値」と言われる数値で表すことができます。
測定方法は、工事途中や完了時に専用の機械で住宅内を負圧にして、どのくらいまで気圧が下がるかを実測します。
決められた方法で実測するため、ごまかしが効かないのが特徴です。
別記事で、高気密高断熱住宅について解説していますので、合わせて読んでみてくださいね。
高気密高断熱住宅のススメ【デメリットも解説】
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気密性の高い家のメリット【5選】
それでは、本題の気密性の高い家にするメリットを5つ解説します。
気密性の高い家のメリット【5選】
- 室内の空気が逃げにくい
- 床が冷たくなりにくい
- 冷暖房費の節約になる
- 内部結露が防止できる
- 計画的な換気ができる
ひとつずつ解説していきます。
1.室内の空気が逃げにくい
まずひとつ目は、夏であれば冷たい空気が、冬であれば暖かい空気が逃げにくいということです。
気密性の低い家は、隙間が大きいために室内の空気がどんどん外に逃げていきます。
例えば、断熱材を厚くして断熱性能を高めたとしても、隙間が大きいとエアコンでせっかく冷やした空気や暖めた空気が逃げてしまします。
断熱性能と気密性能は、車の両輪。
どっちがかけてもダメということを覚えておきましょう。
2.床が冷たくなりにくい
冬で暖房をつけている場合、暖かい空気は軽いので、まず上部に溜まっていきます。
気密性が高ければ、上部から徐々に下部も暖まってくるのですが、気密性が低いと上部の隙間からどんどん空気が逃げていきます。
そうすると、室内の気圧は一定に保とうとするので、下部の隙間から冷たい外気がどんどん入ってきてしまうのです。
暖房を強くしているのに、なかなか暖まらない…。
気密性が低いとそんな事態にもなりかねないのです。
「気密性を高めると床暖房が不要」という記事も書いていますので、是非読んでみてください。
床暖房のデメリット5つ!断熱・気密を高めれば床暖房は不要
続きを見る
3.冷暖房費の節約になる
当たり前ですが、室内の空気が逃げにくくなるということは、冷暖房費の節約に繋がります。
先に書いたように、冷暖房費を節約するためには、断熱性と気密性の両方を高めることが必要。
HEAT20という団体のG2基準レベルの断熱性能を確保すると、30年以上住み続ける場合は、初期投資を回収できるという試算も出ています。
HEAT20の基準については、以下の記事で解説していますので、「HEAT20ってなに?」と思った方は読んでみてください。
UA値、Q値、C値とは?初心者向けにやさしく解説!住宅業界の闇も…
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4.内部結露が防止できる
これは、マイホームの耐久性や実際に住んでいる人の健康に関係する重要なポイントです。
冬の室内の空気は、料理や洗濯、住んでいる人の息などで外気よりも湿っています。
その湿った空気が隙間から外部に逃げるときに壁の中で冷やされ、結露を起こします。
その結露(水分)が壁の中の柱や梁などの構造体を腐らせ、カビを発生させてしまうのです。
住宅を解体するときに壁を壊してみたら、べちゃべちゃでカビだらけというのは決して珍しいことではありません…。
しかも、見た目にはあまりわからないので、発見が遅れ、住んでいる人のアレルギーを重くする原因になることもあります。
また、せっかく耐震等級3を取得しても、構造体が腐ってしまっては、地震力に対抗する力も弱くなります。
気密性を高めることで、構造体の腐朽と健康被害を防止することが可能なのです。
5.計画的な換気ができる
気密性が高いってことは、あまり換気できないってことなんじゃないの?
新型コロナウイルスの感染拡大防止に不利なるのでは?
こういう意見を聞くことがありますが、これは全くの誤解です。
変なところから空気が逃げたり入ってきたりしない気密性の高い家は、家全体を計画的に換気することが可能。
「ショートサーキット」と呼ばれる、換気扇の周辺だけで空気がぐるぐる回って、全然換気できていないということが気密性の低い家で起こります。
間違った情報に惑わされないように注意しましょう。
気密性の高い家のデメリット【2選】
では、気密性の高い家にデメリットはないのでしょうか?
そんなことはなくて、デメリットも存在します。
気密性の高い家のデメリット【2選】
- 初期費用が高くなる
- 外の音が聞こえにくくなる
1.初期費用が高くなる
気密性を高めるためには、壁を貫通している配管などに隙間を塞ぐ目張りが必要だったり、試験費用もかかります。
断熱材のように材料費が多くかかるということはありませんが、作業員の手間代などが上乗せされます。
2.外の音が聞こにくくなる
気密性を高めると外の雨の音や、車の走る音などが聞こえにくくなります。
個人差はありますが、人によっては、閉塞感を感じるという方もいるとのことです。
ただし、幹線道路に近い場所に建てる場合は、車の音が気になりにくいので、メリットにもなりますね!
気密性の高い家はハウスメーカーでも建てられるのか?
結論から申し上げると、「可能」です。
「ただし、ハウスメーカーによる」という条件付きではありますが…。
一般的に鉄骨系の住宅は、隙間を塞ぐことが構造上難しいと言われていますね…。
ただし、木造の高断熱高気密住宅を得意としているハウスメーカーであれば、全棟気密測定を実施しているところがあります。
HPでC値を公開しているハウスメーカーの1つ「一条工務店」と地域工務店のC値を比べた記事も是非読んでみてください。
【C値対決】一条工務店VS地域工務店
続きを見る
また、自分で探す時間がない…という方は、以下のサイトで高気密高断熱住宅を希望すれば、無料で紹介してくれますよ。
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実際に私も利用して、高気密高断熱住宅を得意とするハウスメーカーを3社紹介してくれて、自分で探す手間がはぶけました!
実際に使ってみた感想や作ってもらった間取り・見積書などは、以下の記事で公開していますので、興味のある方はどうぞ。
いきなり住宅展示場はNG!まずは無料の住宅相談で会社を絞れ!
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これから家づくりを始める方は、無料で利用できて時短にもなりますので、有効活用しましょうね。
気密性の高い家にするメリット5選【まとめ】
気密性の高い家にするメリット、なんとなくおわかりいただけたでしょうか。
ハウスメーカーによっては、HPで「高気密」をうたっていても、C値を公開していない、測定すらしていないというところも少なくありません。
各社のHPでは、自分の会社の弱点をうまく隠しているので、弱点を見抜ける眼を養うことも大切です。
気になるハウスメーカーがあれば、モデルハウスなどで実際に
- 全棟気密測定はしているか
- C値の実績の平均値はどのくらいか
を確認することをおすすめします。
C値が大事なのはわかったけど、どのくらいの数値ならOKなの?
C値は、低ければ低いほど隙間が小さく、高気密といえるのですが、
C値はどのくらいがいい?
- 最低でも1.0以下
- できれば0.5以下
と理解しておけばOK。
0.5より低くすることも可能ですが、それより小さくしてもあまり効果の向上は期待できないという結果も出ています。
もちろん、家はデザイン性や間取りも大切なので、ハウスメーカー、工務店を決める際の1つの指標にしてくださいね!
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