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省エネ基準の種類と地域区分とは?地域によって必要な断熱性能は違う

2020年5月27日

省エネ基準の種類と 地域区分とは? 地域によって必要な 断熱性能は違う
ゆうき

こんにちは。

絶賛、マイホームを計画中の「ゆうき」です。

一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。

・断熱性能って、日本全国同じでいいの?

・省エネ基準の地域区分ってなに?

・住んでいる地域に必要な断熱性能を知りたい!

ひかり

こんな疑問にお答えします。

省エネの基準は、最低限と言われる省エネ基準(H28年改正)からより高い基準のHEAT20 G3など、様々です。

この記事では、どの基準でも適用される地域区分について解説します。

この記事の内容

  • 省エネの地域区分とは
  • 省エネ基準の種類
  • どの基準を目指せばよいのか

省エネの地域区分とは

ECO

まず、省エネの地域区分について解説します。

日本は、北海道のように寒さが厳しい地域や九州・沖縄のように温暖な地域などがありますよね。

地域によって気候が大きく変わるため、省エネの基準も地域によって分かれています。

省エネ地域区分
省エネの地域区分
引用元:建築省エネ機構

上記の地域区分では、例えば2地域と3地域の境目付近に位置する市町村などは、どっちの区分なのかよくわからないですよね。

その場合は、一覧表になっている以下のPDFファイルをご覧ください。(国土交通省より引用)

地域区分新旧対照表(令和元年11月版)

このファイルは、2019年11月の法改正で一部の地域区分が変更になった際の新旧対照表です。

ゆうき

私が住んでいる地域は、もともと「1地域」でしたが、今回の法改正で「2地域」に変更になりました。

地域区分の変更があった理由としては、地球温暖化の影響などが考えられますね。

上記の地域区分にある「外皮平均熱還流率(UA値)」については、別記事で詳しく解説していますので、「UA値ってなに?」と思った方はそちらもご覧ください。

合わせて読む
UA値、Q値、C値とは?初心者向けにやさしく解説!住宅業界の闇も…
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省エネ基準の種類

省エネ

次に、省エネ基準の種類について解説します。

省エネ基準の種類

  1. H28省エネ基準
  2. ZEH基準
  3. HEAT 20 G1基準
  4. HEAT 20 G2基準
  5. HEAT 20 G3基準

ひとつずつ確認していきましょう。

1.H28省エネ基準

建築物省エネ法で規定されている省エネ基準で、日本における最低の基準です。

当初、2020年に義務化される予定でしたが、諸外国から見てもかなり低レベルの基準にも関わらず、義務化は見送りになりました。

ゆうき

松尾設計室の松尾先生曰く、この数値はドイツの基準の6分の1の低さということです。

H28省エネ基準のUA値は、以下のとおりです。

地域No12345678
主な地域北海道北海道青森・岩手など東北・長野など関東~九州北部 関東~九州北部宮崎・鹿児島沖縄
UA値0.460.460.560.750.870.870.87

2.ZEH基準

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の補助を受ける際に、必要となってくる基準です。

H28省エネ基準よりも高い基準ですが、それでもまだ十分とは言えない断熱性能です。

ZEHについては、別記事で解説していますので、、「ZEHってなに?」と思った方はそちらをご覧ください。

合わせて読む
【2021年度】ZEH(ゼッチ)のメリットとデメリットとは?

続きを見る

ZEH基準のUA値の基準は、以下のとおりです。

地域No12345678
主な地域北海道北海道青森・岩手など東北・長野など関東~九州北部 関東~九州北部宮崎・鹿児島沖縄
UA値0.400.400.500.600.600.600.60

3.HEAT 20 G1 基準

HEAT 20とは、2009年から始動した「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」で、省エネに関する有識者が集まった民間団体です。

HEAT 20には、3種類の基準があり、その中で一番低いが「G1基準」です。

HEAT 20 G1基準のUA値は、以下のとおりです。

地域No12345678
主な地域北海道北海道青森・岩手など東北・長野など関東~九州北部 関東~九州北部宮崎・鹿児島沖縄
UA値0.340.340.380.460.480.560.56

4.HEAT 20 G2 基準

HEAT 20では、中間の基準です。

30年以上住むのであれば、この基準が最も費用対効果が高いと言われています。

ゆうき

私は、最低でもこの基準を満たすべきと考えています。

HEAT 20 G2基準のUA値は、以下のとおりです。

地域No12345678
主な地域北海道北海道青森・岩手など東北・長野など関東~九州北部 関東~九州北部宮崎・鹿児島沖縄
UA値0.280.280.280.340.340.460.46

5.HEAT 20 G3 基準

2019年6月に発表された基準で、HEAT 20の最高レベルの基準です。

かなり厳しい基準となっており、これをクリアできるハウスメーカー、工務店は限られてくると思われます。

60年以上の超長期で考えた場合に、ランニングコストでメリットが出てくると思われます。

ゆうき

今後はこの基準を目標とする地域工務店が増えていきそうです。

HEAT 20 G3基準のUA値は、以下のとおりです。

地域No12345678
主な地域北海道北海道青森・岩手など東北・長野など関東~九州北部 関東~九州北部宮崎・鹿児島沖縄
UA値0.200.200.200.230.230.260.26

省エネ基準の種類と地域区分とは?地域によって必要な断熱性能は違う:まとめ

省エネ

今回は、省エネ基準と地域区分について、解説しました。

UA値については、公的な基準、民間団体の基準含め多くの基準がありますが、どれも義務化はされていません。

しかし、断熱性能の低い住宅を建てると快適性は確実に落ち、冷暖房費もどんどん膨らんでいきます。

ゆうき

なにより、多くのCO2を排出することで、地球環境に影響を及ぼしますよね…。

大手ハウスメーカーの一条工務店が、「高気密・高断熱」を売りに爆発的な人気を博していることからもわかるように、これからも「高気密・高断熱住宅」の需要は加速すると考えられます。

家づくりに求めるものは、他にも「デザイン性」や「耐震性」、「知名度」、「メンテナンス性」など人それぞれだと思います。

しかし、「快適性」を無視しても構わないと考えるでしょうか?

ゆうき

まずは、日常の「快適性」を求め、高気密・高断熱住宅を目指すことをおすすめします。

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