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【家づくりブログ】YUCACO(ユカコ)システムを一級建築士が解説

YUCACO(ユカコ)システムを一級建築士が解説
ゆうき

こんにちは。

絶賛、マイホームを計画中の「ゆうき」です。

一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。

 

  • 全館空調を採用したいけど、どれがいいの?
  • YUCACOシステムってどんなもの?
  • どんなメリット・デメリットがあるの?

ひかり

 

こんな疑問にお答えします。

 

快適なマイホームをつくるために、全館空調システムを採用したい!と考えている方も多いと思います。

 

この記事では、その中でも多くの工務店が採用している「YUCACO(ユカコ)システム」について、解説します。

 

ゆうき

我が家もYUCACOシステムを採用することしました。

かなりおすすめしたい全館空調システムなので、参考にしてください!

 

それでは、続きをどうぞ。

 

こんな方におすすめ

  • 全館空調を採用したい!
  • YUCACOシステムについて知りたい!
  • YUCACOシステムのメリット・デメリットを知りたい!

 

【家づくりブログ】YUCACO(ユカコ)システムを一級建築士が解説【YUCACOシステムとは?】

エアコン

 

まず最初に「YUCACOシステム」について、解説します。

 

YUCACOシステムとは

  • 全館空調システム
  • エアコン1台で全館を冷暖房
  • Your(あなたの)、Uniform(均一に)、Conditioned(調整された)、Air(空気の)、COnfiguration(配置)の略

 

大手ハウスメーカー各社が独自の技術で開発している全館空調システムと違うのは、市販されている普通のエアコンを使って全館空調ができるというところ。

 

具体的には、1畳程度の小さな空調室を設け、その中にエアコンを設置して空調します。

 

YUCACOシステム

引用元:ヤマト住建

 

そして、その空調した空気を天井裏や床下を通って、各部屋に配り、天井や床にある吹出口から吹き出して冷暖房を行います。

 

それでは、どんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

 

【家づくりブログ】YUCACO(ユカコ)システムを一級建築士が解説【メリット6つ】

メリット

 

私が考えるYUCACOシステムのメリットは大きく7つ。

 

メリット【7つ】

  1. どの部屋も同じ室温で快適
  2. 冷暖房費の節約になる
  3. 導入コストが安い
  4. 壊れてもエアコンの交換のみでOK
  5. 暖房器具が不要
  6. 床暖房が不要
  7. 大手ハウスメーカー以外でも施工可能

 

ひとつずつ解説します。

 

1.どの部屋も同じ室温で快適

全館空調に共通していえることですが、一番のメリットは、部屋ごとの室温に差がなく快適であることです。

 

「全館空調を採用したい!」と思っている方のほとんどがこの理由から全館空調に興味を持ったのではないでしょうか?

 

ゆうき

北海道出身の私の実家も玄関、トイレ、風呂がめちゃくちゃ寒かった記憶があります…。

なので、どの部屋も暖かく快適にすることは必須でした。

 

また、ヒートショックによる死者数は、交通事故の死者数の約5倍と言われていますが、そのリスクを回避することも可能です。

 

2.冷暖房費の節約になる

エアコンは、ヒートポンプという技術を使って冷暖房を行う電化製品です。

 

このヒートポンプというのがとても効率がよく、省エネであるため、他の暖房器具と併用するよりも冷暖房費の節約になります。

 

1時間あたりの電気代(灯油代)

  • エアコン(COP4)・・・7円/h
  • 灯油ストーブ・・・約11円/h
  • 電気ストーブ等・・・約28円/h

 

電気ストーブなどは、ヒートポンプを使わず電気をそのまま熱に交換するので、効率(COP)は1です。

 

ゆうき

COP4でエアコンを稼働させることができれば、同じ熱量を1/4の電気代でつくることができるんですね!

 

ただ、寒冷地エアコンの場合、外気温が低すぎると効率(COP)が2から3まで落ちてしまうので、FFストーブと同じくらいかやや高くなるおそれもあるので注意が必要です。

 

3.導入コストが安い

大手ハウスメーカーの全館空調システムなどは、導入時に200万円以上のコストがかかってしまうのがほとんど。

 

それに対して、エアコンや各部屋に空調された空気を送るファンなども含め、約100〜150万円程度に抑えることが可能です。

 

ゆうき

我が家のYUCACOシステムの見積もりは、約135万円となっていました!

 

YUCACO見積もり①

YUCACOシステムの見積もり①

 

YUCACO見積もり②

YUCACOシステムの見積もり②

 

我が家は平屋プランのため、少し割高になってしまった可能がありますが、それでも大手ハウスメーカーの全館空調システムと比べてもかなり安いことがわかります。

4.壊れてもエアコンのみの交換でOK

大手ハウスメーカーなどの全館空調システムが故障し、全取り換えとなれば、導入時と同じコストがかかってしまします。

 

しかし、YUCACOシステムはエアコンで空調した空気をファンで各部屋に送っているだけなので、壊れる可能性が高いのはエアコンのみ。

 

2020年12月時点のDAIKINの寒冷地エアコン(DXシリーズ、14畳用、200V)の値段は約20万円程度(設置費別途)です。

 

 

ゆうき

機械はいつか壊れるもの。

持続的に使えるように、交換費用が安価なのはとてもいいですよね!

 

5.暖房器具が不要

寒冷地では、エアコンは冷房のみで使用するのが常識となっており、暖房はパネルヒーター(セントラル暖房)やFF式石油ストーブを使う場合がほとんど。

 

ですが、それだとパネルヒーターやストーブは夏に使わず寝かすしかないので、とてももったいないですよね。

 

ゆうき

そこで、エアコンを暖房にも使うことができれば、パネルヒーターやストーブの導入コストは不要になり、イニシャルコストを下げることが可能です。

 

「エアコンで暖房はちょっと不安…。」と思っている方も多いと思いますが、近年、寒冷地エアコンの性能はかなり向上しており、DAIKINの寒冷地エアコンだと外気温が-25℃でも暖房が可能となっています

 

6.床暖房が不要

YUCACOシステムでは、空調室で暖めた空気が1階の床下を通って、各所の床面にある吹出口から各部屋に温風を吹き出します。

 

YUCACOシステム

引用元:ヤマト住建

 

そのため、床面の温度は室温よりも1〜2℃高くなり、床暖房ほど暖かさはないものの冷たく感じることはありません。

 

ただ、フロアコーティングのように熱伝導率の高い樹脂でフローリングを覆ってしまうと、体温が引っ張られて冷たく感じることがあるので注意が必要です。

 

ゆうき

無垢材を使い、浸透系のオイルなどを塗れば、木材本来の温かみを活かすことができます。

 

別記事で「床暖房のデメリット」についても解説していますので、興味がある方はこちらもどうぞ。

合わせて読む
床暖房のデメリット5つ!断熱・気密を高めれば床暖房は不要

続きを見る

 

7.大手ハウスメーカー以外でも施工可能

YUCACOシステムは、特別な技術が必要なわけではないため、多くの工務店で採用することが可能です。

 

ただし、一度も経験がない場合は「うちではできない」と断られる可能性が高いので、実績があるかどうかHPなどで確認しておくとよいでしょう。

 

ゆうき

有名なのは「ヤマト住建」ですね!

施工エリアは限られていますが、実績がかなりあります。

 

そのほかにもYUCACOシステム研究会のHPで、工務店のリンクが貼ってありましたので、紹介します。

 

YUCACOシステム研究会のHPはこちら

 

ちなみに、私がマイホームの新築工事をお願いした工務店は、YUCACOシステム研究会のリンク集に記載はありませんでした。

 

ここに記載がなくてもYUCACOシステムを採用できる場合がありますので、気になっている工務店があれば直接問い合わせしてみてもよいと思います。

 

【家づくりブログ】YUCACO(ユカコ)システムを一級建築士が解説【デメリット3つ】

デメリット

 

それでは、逆にデメリットを確認していきましょう。

 

デメリット【3つ】

  1. 初期費用がかかる
  2. 高気密高断熱住宅にする必要がある
  3. 匂いが家全体に行き渡る

 

ひとつずつ解説します。

 

1.初期費用がかかる

YUCACOシステムにかかる費用は、我が家の場合135万円程度ということを先に書きましたが、決して安くはない金額です。

 

通常の壁掛けにすれば、各部屋に空調された空気を配るためのダクトやファンなどが不要になるため、初期費用は安く済みますね。

 

ゆうき

できるだけ初期費用を抑えたいという方にはやや不向きかなと思います。

 

2.高気密高断熱住宅にする必要がある

エアコンによる全館空調の場合、ある程度の断熱性能、気密性能がなければいけません。

 

断熱性能、気密性能が劣っていると、エアコンの能力が足りなかったり、部屋ごとに温度差が発生したりするおそれがあります。

 

ゆうき

全館空調を採用する以前に、家の性能を上げることに予算をかける必要がありますね!

 

断熱性、気密性の向上のために予算を使うことができなければ、YUCACOシステムは残念ながら諦めた方がいいです。

 

高気密高断熱住宅については、以下の記事でくわしく解説しています。

合わせて読む
高気密高断熱住宅のススメ【デメリットも解説】
高気密高断熱住宅のススメ【デメリットも解説】

続きを見る

 

「高気密ってどんなメリットがあるの?」という方は、以下の記事をどうぞ。

合わせて読む
気密性の高い家にするメリット【5選】一級建築士が解説
気密性の高い家にするメリット【5選】一級建築士が解説

続きを見る

 

3.匂いが家全体に行き渡る

これは全館空調に共通して言えることですが、家中の空気をぐるぐる回しているため、料理中などの匂いも各部屋に配ってしまいます。

 

ゆうき

カレーを作っていると、こどもたちに「今日はカレーか」とバレてしまいますね…。

まあ、だからなに?という話ですが。笑

 

ちなみにトイレなどは別ルートで換気するため、トイレの匂いが部屋に流れるということはないので、その心配はありません。

 

【家づくりブログ】YUCACO(ユカコ)システムを一級建築士が解説【まとめ】

まとめ

 

今回は、YUCACOシステムについて紹介しました。

 

まだまだ認知度が低い全館空調システムですが、家の性能が上がってきたことで北海道でも採用実績が増えてきました。

 

ゆうき

とはいっても、ブログなどで発信している方は少ないので、北海道でのYUCACOシステムは実際どうなのか、今後発信していきたいと思います!

 

これから家づくりを検討される方は、YUCACOシステム是非検討してみてくださいね!

 

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