こんにちは。
現在、マイホームを建築中の「ゆうき」です。
一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。
妻の「ひかり」です。
このブログでは、家づくりに役立つ情報を発信していますので、ぜひ参考にしてください。
今回は、「住宅で使われる断熱材の性能」について、書いていきます。
我が家も断熱工事が完了し、2021年3月現在、外装や内装工事に移行しようとしている段階です。
私が住む町は、冬の最低気温が-25℃を下回るときもあるため、冬に暖かく過ごすための断熱工事はめちゃくちゃ重要なんですよね…。
この記事では、我が家で採用した断熱材を紹介しつつ、今採用が増えている吹付け断熱材についても解説していきます。
マイホームは高断熱住宅にしたい!と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
それでは、続きをどうぞ。
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記事公開時点の進捗状況
記事公開時点の進捗状況
- 2020/10月上旬 工務店決定
- 2020/11月上旬 間取り決定
- 2020/11/23 工事請負契約締結
- 2020/11/24 住宅ローン本申込み
- 2020/11/27 確認申請提出
- 2020/11/28 遣り方設置
- 2020/11/29 地鎮祭
- 2020/12/ 9 確認済証交付
- 2020/12/12 着工(掘削開始)
- 2021/ 1/ 15 基礎工事完了
- 2021/ 1/26 上棟
- 2021/ 2/ 5 リビング・ダイニング・ロフト天井施工完了
- 2021/ 2/10 サッシ取付完了
- 2021/ 2/12 玄関ドア取付完了
- 2021/ 2/20 気密性能試験実施
- 2021/ 2/21 断熱工事(充填・外張り)完了
住宅で使われる断熱材の性能を比較!【充填断熱と外張り断熱】
まず最初に、主に木造や鉄骨造で使われる断熱の方法について簡単に解説します。
木造や鉄骨造で使われる断熱の方法は、以下の2つです。
断熱の方法2つ
- 充填断熱
- 外張り断熱
これと似た言葉に「内断熱」と「外断熱」というものがありますが、これは主に鉄筋コンクリート造(RC造)で使われる断熱の方法です。
鉄筋コンクリートの場合は、躯体である壁が厚みを持っているため、内側に断熱材を設ける「内断熱」と外側に設ける「外断熱」の2つに分けられます。
その反面、木造の場合は、壁の中に断熱材を充填できるため、内断熱とは呼ばず「充填断熱」と呼ぶ方法が基本であり、より高断熱にする場合には、付加断熱として外側に断熱材を張る「外張り断熱」を行います。
「内断熱」と「充填断熱」、「外断熱」と「外張り断熱」は、全く異なる断熱方法で、明確に使い分けをしています。
残念ながらこの言葉の使い分けがわかっていないプロの工務店や営業マンなども結構いるのが現状です…。
ちなみに、我が家では、「充填断熱」と「外張り断熱」の両方を採用しています。
住宅で使われる断熱材の性能を比較!【我が家で採用した断熱材】
それでは、我が家で採用した断熱材について解説します。
1.我が家で採用した充填断熱材
我が家で採用した充填断熱材は「高性能グラスウール16K」です。
「グラスウール」は、ガラス繊維を主成分にした断熱材で、安価で最も多くの木造住宅に使われています。
また、「16K」というのは、密度のことで「1㎥あたり16kgの重さ」というのを表しています。
そして、この密度が高ければ高いほど断熱材内部の空気が対流しない(空気の流れが起こらない)ため、断熱性能が高くなります。
熱の通りやすさを表す熱伝導率(λ)は「0.038W/(m・K)」なので、グラスウールの中では特別高性能というわけではなく、いたって普通のグラスウールです。笑
熱伝導率(λ)とは
厚さ1mm、温度差1℃の場合に、面積1㎡あたりに移動する熱量のこと。
値が低ければ低いほど、熱が通りにくい(断熱性能が高い)。
単位は「W/(m・K)」。
ちなみに、よくグラスウールの包装に「高性能」と書いてあるのは、高性能グラスウールの方が普通のグラスウールと比較して、ガラスの繊維が細くて少し性能が高いというだけです。
2.我が家で採用した外張り断熱材
次に、我が家で採用した外張り断熱材は、旭化成建材㈱が販売している「ネオマフォーム」です。
「ネオマフォーム」は商品名で、正式名称は「A種フェノールフォーム保温板(断熱材)」といいます。
熱伝導率は「0.020W/(m・K)」であり、日本に存在する断熱材の中ではトップクラスの性能を誇る、とても有名なボード系断熱材です。
熱伝導率を充填断熱材の「高性能グラスウール16K」と比較すると、約半分の数値になっていますね。
つまり、「グラスウールの半分の厚さで同等の断熱性能がある」といえます。
充填断熱材と外張り断熱材は、両方ともお願いした工務店が標準で採用しているもので、私から特に指定はしていません。
断熱工事は、施工をしっかりしないとすき間が空いてしまったり、不具合に繋がりやすい工事です。
その工務店が日頃使っている断熱材をそのまま使うことをおすすめします。
住宅で使われる断熱材の性能を比較!【吹付け断熱材】
最近、木造住宅でも採用が増えている「吹付け断熱材」について、簡単に紹介して個人的な意見も書かせていただきます。
1.「吹付け断熱材」とは
「吹付け断熱材」は、正式には「建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム」といい、液体状の特殊な液をスプレーガンで吹き付けることでモコモコと発泡して断熱層を形成します。
断熱性能は、グラスウールに比べて同じくらいか、やや高い製品が多く、液体を吹き付けるためすき間ができにくいというメリットがあります。
ちなみに、㈱日本アクアで発売している「アクアフォーム」の熱伝導率は、「0.038W/(m・K)」です。
この吹付け断熱材を採用しているハウスメーカーも増えてきており、HPでも断熱性・気密性の高さをアピールしています。
2.「吹付け断熱材」のデメリット
しかし、この「吹付け断熱材」には、大きなデメリットがあります。
それは「とても燃えやすい」ということなんですよね…。
この吹付け断熱材は、大規模な鉄筋コンクリート造の建築物にはよく使用されていて、私もゼネコンで現場監督をしていたときにほとんどの現場で現場発泡ウレタンを見てきました。
しかし、ある日、溶接の火花がこのウレタンに引火して、火災になりかけたことがあります…。
バケツの水をぶっかけて事なきを得ましたが、とても怖い思いをしました…。
実際に、日本ウレタン工業協会のHPでも過去の火災事例を紹介しており、ウレタン火災はなかなか無くならないというのが現状のようです。
また、ハウスメーカーの「ユニバーサルホーム」のHPでは、吹付け断熱材は「火災でも溶けない」ということをアピールしていますが、「約300~400℃で固体の状態で燃焼、二酸化炭素等を発生」と書かれ、かなり激しく燃焼している写真が掲載されています。
3.「難燃」だから大丈夫?
吹付け断熱材は、そのほとんどの製品が「難燃材料」となっています。
「難燃材料」というのは、5分間だけ燃えたり、有害なガスが発生しなければOKというかなりゆるい基準の試験にクリアしたもの。
ちなみにマンションやホテルなどの大規模な建築物では、火災のときの避難経路となる廊下に「難燃材料」の使用は禁止となっています。
日本ウレタン工業協会でも「ウレタンフォームは指定可燃物に該当」、「難燃材料の認定をうけている製品であっても火気に接すると燃焼する」とFAQで回答しており、基本的には「燃えるもの」と認識しておいた方が良いです。
難燃材料以外の防火材料には「不燃材料」と「準不燃材料」がありますが、それぞれ20分間と10分間燃えたり、有害なガスが発生しないとして認定を受けた材料です。
難燃材料は、防火材料の中では一番下の位に位置しており、「難燃だから安心」とはいえないのでは?と個人的には思います。
4.解決方法
やや不安を煽るような書き方になってしまいましたが、実際に火災が起きているのは「溶接作業が発生する大規模建築物の工事中」である場合がほとんど。
完成後は吹付け断熱材のうえにせっこうボードなどを貼るので、工事中に比べてすぐに燃え広がるという可能性は低いといえそうです。
そのため、火災の原因となるコンセント廻りのほこりをしっかり除去したり、ライター等をこどもの手が届かないところに片付けるなど、火災が起きないようにしっかり維持管理をすれば問題ないといえます。
また、ウレタンフォームはほとんどが難燃材料ですが、積水化学工業㈱が製造・販売している「パックスフレイム」は、不燃認定を取得しており、採用できないか検討してみるのもいいと思います。
住宅で使われる断熱材の性能を比較!【まとめ】
さて、今回は我が家で採用したグラスウールとネオマフォームのほか、吹付け断熱材について解説しました。
断熱材は、グラスウールのように熱伝導率が比較的高い(熱が通りやすい)ものやネオマフォームのように熱伝導率が低い(熱が通りにくい)ものがあります。
しかし、グラスウールがダメというわけではなく、厚みを105mm設けることで、高性能なネオマフォームの厚さ50mmとほぼ同じ性能を発揮します。
もし、断熱材を検討する場合は、「熱伝導率×厚さ」で比較しましょう。
上棟してから中間金を支払うためにつなぎ融資の契約書を書いたり、書類を準備していたのですが、ようやく中間金の支払いが終わりました。
次回は、中間金の支払いについて、記事を書いていきたいと思います!
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それでは、次回もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
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