こんにちは。
絶賛、マイホームを計画中の「ゆうき」です。
一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。
- マイホームは資産だと思ってたけど、違うの?
- マイホームは負債だから買わないほうがいい?
- 資産になる家づくりをしたい!
こんな悩みを解決します。
バブルの時代は、土地や物件の価値がどんどん値上がりしていたので、お金を生み出す不動産は資産であるという考え方が一般的でした。
最近は物件価値の値上がりがほとんどなく、「マイホームは資産ではなく負債だ」と言われることが多くなりましたね。
しかし、私は「マイホームは資産ではなく負債」という考え方に対して、本当にそういえるのか?という疑問を持っています。
この記事では、
- 資産ではなく負債だという考え方の落とし穴
- マイホームはつくり方次第で、資産にもなりうる
ということを順を追って解説していきます。
こんな方におすすめ
- マイホームを建てるか賃貸に住み続けるか迷っている
- 「マイホームは負債だから買うな」といわれて、不安になっている
- 資産価値のある家づくりをしたい!
それでは、続きをどうぞ。
なぜ「マイホームは資産ではなく負債」と言われるようになったのか?
マイホームは資産ではなく負債という考え方が広まったのは、ロバート・キヨサキさんの著書「金持ち父さん貧乏父さん」による影響が大きいと思われます。
この本の中では、「資産とはお金を生み出すもので固定資産税や維持管理費、住宅ローンなどの支出ばかりが増えるマイホームは、負債である」と解説しています。
すべての家が負債ではなく、家を貸して家賃収入を得ることができて支出を上回る収入を得ることができるならそれは「資産」といえます。
確かになるほどなーと納得できますよね。
よくあるハウスメーカーの営業トークで、「自分のものにならない家賃を払い続けるのはもったいないですよ。どうせ払うなら資産になるマイホームに大切なお金を払いましょう!」というのがあります。
この営業トークは、「金持ち父さん貧乏父さん」を読むと全くトンチンカンなことをいっていることがわかります。
「マイホームは資産ではなく負債」とは言い切れない理由
しかし、本当に「マイホームは負債」と言い切れるのでしょうか?
この章では、3つの視点から「マイホームは負債とは言い切れない理由」を解説してきます。
1.賃貸住宅とマイホームは、全く同じ快適さ、暮らしやすさではない
当たり前ですが、賃貸住宅とマイホームでは、間取りも違えば、性能も異なります。
間取りは暮らしやすさ、性能は快適性に直結する部分なので、万人受けに作られた間取り、金額を抑えて(性能を落として)造られた賃貸住宅とマイホーム(注文住宅)を同じ土俵にあげること自体がおかしいのでは?と思います。
もし、建売の戸建て住宅が売っていて、購入してもOK、借家として借りてもどっちでもOKだとしたら、簡単に住み替えができる「借家」を選んだ方がいいのかもしれません。
つまり、今の賃貸住宅と同じ間取り・性能のマイホームを購入するなら、それは負債になるといえますね。
「金持ち父さん貧乏父さん」では、「全く同じ間取り・性能」の賃貸住宅とマイホームを比べたらという大前提があるんです。
家の性能が高く、自分の暮らし方に合った注文住宅を建てることが、計ることができない快適さや暮らしやすさなどの価値を生み出します。
高性能な住宅の代名詞である「高気密・高断熱住宅」については、以下の記事で詳しく解説しているので是非ご覧ください。
高気密高断熱住宅のススメ【デメリットも解説】
続きを見る
2.トータルコストで比較するとやっぱり購入した方が得
賃貸住宅に住み続ける場合とマイホームを購入した場合には、トータルコストがマイホーム購入の方が低い場合が多いです。
実際に、計算してみましょう。
前提条件
- 居住地・・・北海道札幌市清田区
- 計算期間・・・35歳〜90歳
- 家族構成・・・父、母、子2人の4人家族
- 間取り・・・3LDK(床面積30坪程度)
賃貸住宅に住み続けた場合
まずは、賃貸住宅に住み続けた場合を計算してみます。
家賃は、札幌市清田区の新築アパートで計算してみました。
また、60歳以降は安い家賃の部屋に引っ越すと仮定します。
費用の計算
【60歳までの家賃の計算】
家賃7.9万円+駐車場代1.1万円=9.0万円
9.0万円✕12ヶ月✕25年=2,700万円
【60歳以降の家賃の計算】
家賃5.9万円+駐車場代1.1万円=7.0万円
7.0万円✕12ヶ月✕30年=2,520万円
【火災保険料の計算】
火災保険2万円✕55年=110万円
【合計】
2,700万円+2,520万円+110万円=5,330万円
結果は、5,330万円となりました。
一生のうちにかかる住居費は、かなりの金額ですよね…。
マイホームを購入した場合
同じ札幌市清田区で計算してみます。
土地の値段は、坪18万円程度が相場のようですね。
購入面積は50坪とし、建物金額の坪単価は税込90万円と仮定します。
費用の計算
【初期費用】
200万円
【土地代】
50坪✕18万円=900万円
【建物金額】
30坪✕90万円=2,700万円
【土地代+建物金額】
900万円+2,700万円=3,600万円
【住宅ローンの計算】
借入額3,000万円のときの総支払額(金利0.5%で10年おきに0.25%ずつ上昇)
約3,400万円
【修繕費】
10年ごとに100万円を計上
100万円✕5=500万円
【固定資産税】
年間8万円
8万円✕55年=44万円
【合計】
200万円+600万円+3,400万円+500万円+44万円=4,744万円
合計で4,744万円となりました。
かなり坪単価を高めに設定しましたが、それでも賃貸に住み続けるよりは安く済みそうですね。
もちろん、家賃の安い賃貸住宅に住み続けたり、より高いマイホームを建てたら結果が逆転する場合もありますが、基本的にはマイホームを購入した方が、一生の住居費は抑えられることが多いです。
また、マイホームはローンの支払が終われば、老後の住居費をかなり抑えることが可能ですよね!
無理のない資金計画を立てて、賃貸に住み続けるよりも安く住居費を抑えることで、より人生が豊かになると私は考えます。
資金計画については、以下の記事で詳しく解説しています。
家づくりの資金計画とは?初めての家づくりで大切なお金の話
続きを見る
3.将来的にリフォームして貸せば、家賃収入を得ることができる
マイホームを購入する段階で貸すことを考えている方は少ないと思いますが、老後に施設に入居することになったとしてもしっかりとリフォームすれば、貸すことで家賃収入を得ることが可能です。
子供に土地と住宅を遺せることは、大きなメリットになりますよね。
注意ポイント
子供に土地と住宅を遺す場合は、ある程度利便性が高い場所にある土地でしっかり維持管理された住宅でないと、借りてくれる人がいないという可能性もありますので注意が必要です。
また、役所から「特定空き家」に指定されるようなボロボロの住宅だと、固定資産税の優遇も受けられないこともあります。
その他にも、家の性能が低いと壁の内部結露等の不具合によって構造体が傷んでリフォーム自体が不可能になる場合もあります。
そんなことにならないよう、新築時にしっかりと性能の高い住宅を建てる必要がありますね。
大手ハウスメーカーよりも金額を抑えて、より高性能なマイホームを手に入れるには、「地域工務店」で建てることをおすすめします。
しかし、地域地域工務店を探し出すのは、かなり難しいのも事実…。
以下の記事で、地域工務店の探し方を解説していますので、よろしければどうぞ。
近くの工務店の探し方とは?自分にベストな工務店を見つけよう!
続きを見る
「マイホームは資産ではなく負債」は本当なのか?:まとめ
「マイホームは資産ではなく負債」というのは、確かにその通りだと思います。
しかし、資産価値のある住宅をたくさん建てている地域工務店が全国各地に存在しているのも事実ですし、賃貸住宅では得られない快適さ、暮らしやすさを得ることができるのも事実です。
そのため、「マイホームは負債でしかないから」という理由だけでマイホーム購入という選択肢を除外してしまうのはかなりもったいないと私は思います。
その反面、マイホーム購入が向いていない人もいると思っています。
賃貸の良いところは、引っ越しすることで簡単に住むところを変えられるというところですよね。
転勤が多い方や、ひとつの場所に縛られたくない方など、それぞれのライフスタイルに合わて賃貸かマイホームかを選ぶ必要があります。
この記事を読んで「マイホームを建てたい!」と思った方は、以下の記事でやるべきことや全体スケジュールを解説していますので、是非ご覧ください。
いきなり住宅展示場はNG!まずは無料の住宅相談で会社を絞れ!
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