こんにちは。
絶賛、マイホームを計画中の「ゆうき」です。
一級建築士として、現場監督や設計、工事監理の経験が10年以上あります。
・注文住宅を建てるときのスケジュールは?
・注文住宅が建つまでの流れを知りたい!
・注文住宅を建てたいけど、何から始めたらいいかわからない…。
こんな悩みを解決します。
ほとんどの方が家づくりは初めてですよね。
建築や不動産、金融の専門知識がない中、土地を探し、ハウスメーカーや工務店を選定して、住宅ローンの申込みをして、間取りや仕上げ材を決め、住宅ローンの融資を実行をして登記する。
正直、めちゃくちゃ難易度高いです…。
この記事では、そんな家づくりを始めたばかりの方へ向けて、家づくりを始めてから入居までの流れ・スケジュールを21ステップに分けて細かく解説します。
こんな方におすすめ
- 家づくりを始めたばかり
- 注文住宅を建てたいと思ったけど、何から始めていいかわからない
- 家づくりに失敗・後悔したくない
タップできる目次
注文住宅を建てるときのスケジュール
注文住宅を建てるときの流れは、以下のとおりです。
家づくりの流れ
- 何を重要視するか決める
- 情報収集
- 資金計画を立てる
- ハウスメーカー・工務店の検討
- 土地探し・決定
- 間取り作成・見積依頼
- 設計打合せ①
- ハウスメーカー・工務店の決定
- 住宅ローン仮審査
- 設計契約締結
- 設計打合せ②
- 工事請負契約締結
- 住宅ローン本審査
- 確認申請提出・確認済証交付
- 着工
- 工事打合せ
- 竣工
- 完了検査・検査済証交付
- 引き渡し・融資実行
- 登記
- 引っ越し
多少、順番が前後しても問題ないものもあったり、手付金の支払時期が会社によって異なったりする場合はありますが、基本的にはこんな感じでしょう。
この記事を読めば、家づくりの全体の流れがわかるので、是非ブックマークしておいてくださいね!
1.何を重要視するか決める
まず、最初にすることは、「家づくりで何を重要視するか決める」ことです。
重要視するポイントは、快適性、耐震性、デザイン性、利便性、耐久性、使いやすさなどいろいろあります。
もちろん、夫婦でしっかり話し合う必要はありますが、一級建築士の私が考える最も重要視すべきなのはこのうち2つ!
重要視すべきこと2つ
- 快適性(高気密高断熱)
- 耐震性(耐震等級3)
です。
1.快適性(高気密高断熱)
快適性は、つまり「冬暖かくて、夏涼しい」こと。
いくらデザインがよくて、利便性が最高な土地に建てた豪邸だとしても、冬寒くて夏暑い家には住んでいられません。
高気密高断熱住宅にすれば、冷暖房費の節約にもなり、寒さ厚さのストレスから解放され、生活が豊かになります。
なので、快適性については家づくりをする上で最重要項目として設定すべきです。
この快適性については、大手ハウスメーカーよりも優良地域工務店の方が高性能な場合が多々あるので、優良工務店をいかに見つけるかということが重要になってきます。
別記事では、地域工務店の探し方を書いていますので、そちらもご覧ください。
近くの工務店の探し方とは?自分にベストな工務店を見つけよう!
続きを見る
2.耐震性(耐震等級3)
南海トラフ地震の危険性が高まっている今、いつ大地震が起きてもおかしくない状況です。
耐震等級1(建築基準法の最低基準)では、大地震時に家が大きく損傷し、2度と住むことができなくなります。
新築して1ヶ月足らずで大規模な損傷を受け、解体を余儀なくされるというのは、実際にあり得る話です。
耐震性については、大手ハウスメーカーが実物大の実験などもやっており、一歩リードしている印象です。
しかし、地域工務店でも構造計算をすれば耐震等級3(建築基準法の1.5倍の地震力に耐えられるレベル)にすることが可能です。
耐震等級についてはも別記事で解説していますので、是非ご覧ください。
耐震・免震・制震?日本の耐震基準の考え方、耐震等級とは?【初心者向け】
続きを見る
2.情報収集
次は、情報収集ですね!
情報収集の仕方はいろいろありますが、大きくは以下の4つです。
情報収集の方法3つ
- 雑誌で調べる
- SNSを見る
- 検索して探す
- 紹介してもらう
1.雑誌で調べる
雑誌はいろいろありますが、北海道~東北在住で地域工務店を探すなら、「Replan(リプラン)」をいう雑誌がおすすめ。
優良地域工務店が多数載っているので、高気密高断熱住宅を建てるなら必見の雑誌です。
ちなみに関西版も発売されています。
2.SNSを見る
家づくりに参考になるSNSは、以下の2つ。
どちらも写真がメインのSNSです。
今後、ハウスメーカーや工務店が決まって、設計士にイメージを伝えるときに「こんな感じ!」と写真で伝えられるので、いろいろブックマークしておきましょう。
広告費をかけれない工務店は、インスタで自社の施工物件を積極的に発信している場合がありますので、自分の住んでいる地域の工務店を探すこともできます。
3.検索して調べる
高気密高断熱住宅が得意な工務店やハウスメーカーを探す際は、「(地域名)+高気密高断熱」で検索するのがおすすめです。
あとは、パッシブハウス・ジャパンやアース21などの優良工務店が多数登録している団体のホームページから探すという方法もあります。
4.紹介してもらう
最後は、自分に合ったハウスメーカーや工務店を無料で紹介してくれるサイトを利用する方法です。
ハウスメーカーや工務店には、得手不得手があります。
多くのハウスメーカーや工務店を知り尽くしているこちらの会社では、自分に合ったハウスメーカー・工務店を紹介してくれます。
複数の間取りの作成だけ依頼したい!という方は、こちらから。
以下の記事でメリットやデメリットも書いているので、是非読んでみて検討してください。
家づくりは何から始める?まずは複数の間取りを比較して数社に絞れ!
続きを見る
3.資金計画を立てる
3つ目は、資金計画です。
いくらなら住宅ローンを無理なく返済できるかなど、ライフプランシミュレーションを絶対してください。
お子さんがいる方は、子供が大学生になったときに住宅ローンを払いきれるかがポイントです!
とよクマさんが作成した「100年のさいふ」というシミュレーションソフトがとても細かく条件設定ができておすすめです。
4.ハウスメーカー・工務店の検討
2.情報収集で、自分に合ったハウスメーカーや工務店が数社見つかったら、実際にモデルハウスやオープンハウスに足を運んでみましょう。
おすすめなのが、「1~2月の1年で一番寒い日」か「7~8月の1年で一番暑い日」です。
モデルハウスなどでは、玄関の反対側の方にあるエアコンの室外機の数もチェックしましょう。
室外機1台に対して、エアコン1台なので、室外機の数を数えればエアコンの数がわかります。
室外機が多いということは、それだけの台数でエアコンをかけないと夏涼しくならない、冬暖かくならないということを表しており、低い断熱・気密性能の住宅ということがわかります。
デザインや雰囲気が好みなのかということも、もちろんチェックしましょう。
5.土地探し・決定
私たちは、土地を譲ってもらうので、土地探しをしていません。
なので、いい土地の見つけ方などのアドバイスはできないのですが、こちらのサイトでは無料で未公開の土地なども紹介してくれます。
是非、参考にしてください。
土地の売買契約や工事請負契約、住宅ローンの申込みの際は、「実印」が必要ですので、早めに用意しておきましょう。
私は、ネットで作成したのですが、とても簡単に高品質の実印が作成できますのでおすすめです。
詳しくは、以下の記事まで。
実印まだ持ってないの?ネットでの作り方を30枚の画像で解説
続きを見る
6.間取り作成・見積依頼
一通り気になったハウスメーカーや工務店のモデルハウスなどを見に行ったら、間取りの作成と見積依頼をしましょう。
会社によっては、ここで手付金などを支払う必要が出てきます。
ある程度詳細な間取りや見積書を作るためには、現地を調査したり、間取りを検討したり時間がかかるので、ある程度費用が発生するのはやむを得ないです。
7.設計打合せ①
いよいよ設計打合せが始まります。
打合せの進め方や注意点は、別記事で解説しています。
間取りのデザイン作成依頼&打合せ方法まとめ。間取りは自分で描いても見せちゃダメ!
続きを見る
8.ハウスメーカー・工務店の決定
要望をしっかりとくみ取ることができ、間取りに反映できる能力があって、かつ予算内に建てられる会社があったら、その会社に決めましょう。
また、ハウスメーカー・工務店とは、これから長い付き合いになりますので、アフターサービスなどもしっかり確認しておく必要があります。
ここまで来るとへとへとですよね…。
会社を決めるまでが、一番大変なんです…。
9.住宅ローン仮審査
ハウスメーカー・工務店が決まった段階で、住宅ローンの仮審査を行います。
仮審査を通すためにも、車のローンや借金などは全て完済しておくのが基本です。
資金計画・住宅ローンについては、別記事で解説していますので、そちらもご覧ください。
家づくりの資金計画とは?初めての家づくりで大切なお金の話
続きを見る
10.設計契約締結
住宅ローンの仮審査が通ったら、設計契約の締結に進みます。
設計契約を締結した後に契約解除になると、違約金なども発生するので注意してください。
ハンコの押印は、施主であるあなたの「切り札」です。
押す前に不安なことや疑問点は必ず解消してから押すようにしましょう。
11.設計打合せ②
正式に設計契約を結んだあとの設計打合せです。
「実施設計」と呼ばれる段階で、細かな寸法や仕様など実際に建てるための図面の作成に移ります。
SNSなどで保存した画像や雑誌でいいなと思った写真などを見せたりして、思いを形にしていきます。
12.工事請負契約締結
設計がまとまったら、建設業法に基づく工事請負契約の締結に移ります。
こちらも押印前に不明確な部分はしっかり確認しましょう。
13.住宅ローン本審査
続いて、住宅ローンの本審査に移ります。
住宅ローンの仮審査に通っていれば、ほとんどの場合問題なく通ります。
しかし、新たに車のローンを借りたりすると通らなくなることもありますので、注意が必要です。
ローンの融資実行日は、引渡し日と同日にする必要があるので、業者・銀行とよく打合せして決めましょう。
14.確認申請提出・確認済証交付
この投稿をInstagramで見る
図面が完成したら、確認申請を提出します。
確認申請を提出したあとは、基本的に大きな変更はできませんので図面はしっかり確認しましょう。
確認申請が下りると、確認済証が交付されますので、大事に取っておいてください。
確認申請が不要の場合の注意点
構造や規模、建てる場所によって確認申請が不要な場合があります。
しかし、手続きが不要なだけで、建築基準法に適合しなくても良いということではありません。
知らない間に違反建築物とならないよう、信頼できる業者に依頼することが大切です。
15.着工
確認済証が交付されたら、いよいよ着工です。
地鎮祭は、やってもやらなくてもどっちでも構いませんが、やる場合は着工前に行いましょう。
近隣へのあいさつは、ハウスメーカー・工務店が慣れていますし、細かい工程の説明もできるので、一緒に行くのがおすすめ。
工事は、ほこりや騒音などで近隣の方は多少なりとも迷惑するもの。
しっかりあいさつをすることで、トラブルを避けることができます。
16.工事打合せ
工事中は主に内装の打合せです。
納期がかかるものは着工前に決めますが、内装材・塗装の色や模様などは工事中に決めるものもあります。
カタログだけでは決めず、カタログから最低3種類はサンプルを取り寄せた方がいいです。
面積効果により、実物と違うということがありますので、必ず大きめの見本で比較検討しましょう。
面積効果とは
壁などの大きな面は、明るい色はさらに明るく、暗い色はさらに暗く見えるという性質があります。
発注してからでは、変更できないので大きめのサンプルで必ず確認しましょう。
内装材については、以下の記事で解説しています。
珪藻土、漆喰、クロス。内装仕上材の特徴とメリット・デメリットとは?
続きを見る
17.竣工
この投稿をInstagramで見る
竣工とは、工事が完成することをいいます。
完成したら、「施主検査」を受けましょう。
施主検査のチェックポイント
- 図面と違うところはないか
- 工事の抜けはないか
- 汚れ、キズはないか
2番目の「工事の抜けはないか」については、どれが工事に入っていて、どれが施主支給かということをしっかり明確にしておかないとわからなくなります。
後々のトラブルにならないように最初の段階で図面にしっかり明記してもらうようにしましょう。
引き渡し前の最後の検査なので、しっかり確認しましょうね。
18.完了検査・検査済証交付
この投稿をInstagramで見る
工事が完成したら、確認申請を提出した機関の「完了検査」を受ける必要があります。
手続きは、ハウスメーカー・工務店がやってくれるので問題ありません。
検査に合格したら、検査済証が交付されます。
この検査済証がないとほとんどの銀行で融資を受けられないので、注意が必要です。
19.引き渡し・融資実行
施主検査と完了検査が終わったら、いよいよ引き渡しです。
先に申し上げたように、引き渡しの日に融資も実行します。
引き渡しのあとに融資を実行しても問題なのですが、一度代金を全額支払う必要があるので、引き渡し当日に融資を実行する形が基本です。
20.登記
引き渡しを受けたら、不動産の登記を行いましょう。
もちろん土地を先に購入された方は、土地の登記が先です。
新築住宅の場合は、不動産登記法第47条第1項により、完成してから1ヶ月以内に登記を行う必要があります。
21.引っ越し
引っ越し時には、不要なものはなるべく処分して、本当に必要なものだけ新居に持っていきましょう。
物ってすぐ増えちゃうから、これを機に一気に断捨離しましょう。
【保存版】注文住宅を建てるときの詳細スケジュールを解説:まとめ
かなり長くなってしましましたが、一通りの流れを説明しました。
多少前後しても問題ないこともありますので、柔軟に考えていただければと思います。
家づくりは最初が肝心です!
最初の数社を絞るときに、いいハウスメーカや工務店を見つけられるかに家づくりが成功するかしないかがかかってくると言っても過言ではありません。
まずは、以下の住宅相談でいろいろとヒアリングをしてもらい、あなたに合ったハウスメーカーと工務店を紹介してもらいましょう!
ヒアリングはちょっとめんどくさいな…。
という方は、家づくり計画書だけ取り寄せ可能なこちらがおすすめ。
「メールでの連絡希望」と要望欄に記載すれば、しつこい営業電話も掛かってこないので安心です。
家づくりを始めたばかりは、わからないことだらけだと思いますが、施主側もしっかり勉強しないと後々後悔することになりかねません。
「施主力」を高め、理想の家づくりを目指しましょう!
\にほんブログ村に参加してます/